恋愛はいつ始まるのか予想ができない

突然、どんな出来事が起こって男女の距離が急接近するのか、これは誰も予想することができません。「積極的に口説いたわけじゃないのに、気づいたら彼女ができていた」ということは、たまに起こることです。まさしく運命といえるかもしれません。ここに登場する二人は、どちらも内気で人見知りをしてしまう口下手な男女です。似た者同士なので、普通はすぐに惹かれ合うはずですが、内気という性格が邪魔をして、なかなか二人の距離は縮まずにいたのでした。

どちらも同じ職場で働く同期の男女。どちらも長い間、恋人がいませんでした。むしろ、「恋人がめちゃくちゃ欲しい!」というわけでもないのです。「まぁ、できたらできたでいいしな。今の一人っていうのも結構充実してるしな」という考えの二人なのでした。そんな恋愛に対する考え方も似ています。そんな二人の心が急接近するのは、ある夜の残業中のことでした。終電の前で皆がぞろぞろ帰っていき、なぜかその男女だけが社内に残る形になったのでした。黙々と仕事をする二人。普段からおしゃべりをする間柄でもなかったので沈黙だけが流れていました。音といえばパソコンのカタカタという乾いた音だけ。仕事はなかなか終わらずにため息もたまに聞こえるようになってきました。そして、「これは朝までコースだな」と開き直り、休憩がてら自分のケータイをいじっていた彼がこう呟いたのでした。「俺って友達少ないなぁ」すると、彼女の笑い声が聞こえてきました。「急に何言い出すんですか」独り言に対する意外なリアクションに彼は赤面。「あ、ごめん、そのまんま。友達少ないなぁって思っちゃって」はにかむ彼。「あはは。まぁ、私も友達は少ないんですけどね」「え、ほんと?」彼もそんなかんじで食いついてしまいました。そして、お互いのケータイに登録してある友達の数を披露し合ったそうです。ふと気づくと、二人の仲は急接近していました。

恋のきっかけはあちこちに転がっているのかもしれません。ちなみに、友達の数は彼のほうが少なかったそうです。しかしながら、その夜、お互いケータイの登録数がひとつずつ増えたのでした。

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